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今回の記事も引き続き、投稿頂いた体験談をご紹介します。

今回は、とある「展示会」にて働くお仕事。
展示会でうまくいけば月に数百万円もの大金を稼ぐこともできるというものですが、投稿者様はその展示会が開催される前日に、こちらの会社を去ったようです。。

一体「展示会」とは何なのか、なぜ投稿者様は開催前日にこの会社を去らねばならなかったのか、ご覧下さい。


 夢を追いながら稼ぐ、「展示会」の仕事
投稿者:hdkz0511さん



その入り口はある出会い系サイトの掲示板にあった。

「あなたの夢を教えてください。今、自分は夢のためにある仕事をしています。」
と書かれていた。

当時、大学生で将来起業する夢があった私は何気ない感覚でメッセージを送った。
自分と同じく19歳の女の子だった。

それから一週間ほどメールや電話のやりとりをした。
そこでわかったのはその子が「展示会」の仕事をしているということだった。

彼女は将来自分のカフェを開くという夢のために働いているという。
そして実際に会って一緒にご飯を食べる事になった。
ご飯を食べながら「展示会」の仕事についていろいろ聞いてみた。

が…その子の説明が下手であまりわからなかった。
そうしていると会社に連れて行ってくれることになった。


会社はあるビル群の中にあった。その3Fの事務所に入ると中に5人ほどいた。
皆、20代前後で自分とそうは変わらないような人ばかりだった。
その中の一人、主任と称する男が紹介された。
何とも言えない「イイ人」といった印象を受けた。
より詳しく「展示会」の仕事を説明してくれた。

主任の話をかいつまんで言うと、展示会は一ヶ月に三日間ほど開催されるようで、パリコレ等にでてくるような最新のモデルの服を展示し、それを見に来たお客さんに対して売る。
その商品である服はグッチ、シャネルのような一流ブランドの名前がつく手前の段階のものを特別に提携会社から流してもらうため、一流ブランドと同質のものを比較的安く買える。
具体的には数万円のジャケット、小物~百万を超える毛皮のコートがある。
その商品は原則自分が買う事ができない。
よほど欲しければ要相談だそうだ。

展示会に入れるお客さんには制限がある。
特別に売るということで提携会社との信用問題もあるので、展示会主催会社の従業員から直接招待状をもらった者しか入れないようにしている。
それにより一定の信用が担保される。


仕事内容としては「展示会」は会社が主催するが、実際に従業員ががそれぞれ独立してそこのオーナーとなって【自分が店をオープンさせた】つもりでお客さんに売ってほしい。
服が売れたら階級(後に述べる)に応じて、最初は商品価格の10%が報酬となる。
完全歩合制だから最初は収入0なんてのもありえる。
しかし服と売場は会社が貸すのでリスクはないし、頑張り次第でどんどん収入が増える。

階級の話だが、四段階あり、第1段階は報酬10%で、階級が上がるにつれて、第4段階では報酬50%にもなる。

階級をあげるには月あたりの売り上げを基礎として第4段階では1000万円以上でなれるらしい。
毛皮のコートなら1着売れば100万円は超えるからそれを考えると決して不可能ではない。

さらに第2段階以降は自分の下にさらに従業員を自分で雇うことができるので、より集客できるようになる。
自分が雇った者への報酬はオーナーである従業員が決めてよい。


ここは夢のある人が夢を達成することを助けることを目的とする会社で、~~NPO法人にも加盟しているなんて事も言っていた。
そのため、第4段階になればある程度お金が貯まるので皆自分の夢のために卒業していく。
お金稼ぎの手段としてくれて構わないと言う。

やはり気になったので報酬はいつ支払われるのか聞いてみると、翌月にまとめて【手渡し】で支払われるらしい。
多い人は数百万円だからその厚みを実感できるらしい。

主任が「やってみないか?」と聞いてきたので、
私は「ぜひお願いします。」と言った。
すると簡単な紙に名前、住所、電話番号などを書かされた。
うちは信用を基礎にするからお堅い履歴書なんてもらわない。
あと念のためと言って学生証を見られた。
どうやらそれだけでそこの従業員となったらしい。
さらに、何歳になった時はこうして~といったような具体的な人生目標を書かされた。
これでモチベーションをあげるのだろうか。

その後、言われるがままにケータイのアドレス帳に入ってる人はもちろん、自分が思いつく自分に関係のあるすべての人の名前をリスト化する作業をした。
これがいわば自分の【顧客情報】とするようだ。

顧客とすることができるのは自分と直接繋がりがある者だけで、ネット、街角等で広告を募ってはいけないらしい。
とりあえずその作業を終えて初日が終わった。


それから次の展示会まで、いろいろ教えることがあるので、できるだけきてほしいと言われたので、ほぼ毎日通った。

基本的に展示会の期間以外はもっぱら集客活動をした。
そのプロセスとしては
①電話で展示会に来る事を約束し、
②アポを取れたら招待状の手渡し、
③展示会当日、実際に来たら接客
④購入により報酬発生といったカタチになる。

来る時はさらにその者の友人も連れてくるように一言添えておく。

ここで注意が必要で、実際に購入する人は二十歳以上であることが条件となる。
それは展示会の場でクレジットを作れるので、二十歳に満たないと審査がおりずカードができないらしい。
さらにカードを作ることでより大きい額の商品を買ってくれると言う。
一切そのことに触れていなかったが、ここでは未成年の取消権の問題でもあるだろうと私は考えた。


ある日その関連会社のお偉い人の話を聴けることになった。

その日が初めての出勤の21歳でパチンコの店員をしているという男と行動することになった。
自分が働く会社の主任も、元は他のまったく同じ事を業としている会社で働いていたらしい。
その会社こそがこのビジネスを広げたようで、そこの卒業生がそれぞれ独立して新しい会社をつくって今に至る。
後々教えてもらったが、この独立した卒業生のそれぞれの会社が協力して「展示会」を開催しているようだ。

話は戻るがこの日は他の会社の専務取締役の話を聞ける事となった。
そのためその会社がある近くのビルに行った。

そこで人生論的な話を聞いたが、直接仕事に結びつくような話ではなかった。
その後自分の会社に戻ると主任と、もう一人見慣れない強面の人がいた。
話を聞くとどうやらそこの社長らしかった。

単髪の金髪、金のアクセサリーを多数身につけ、サングラスをしていた。
正直ヤク○かと思って怖かった。
さらにその社長の話も聞けることになった。

「自分の身なりもこんなんやし、ほんまに怪しいと思うかもせぇへんけどな。
にいちゃんが怪しい思ってるうちは客来ぇへんさかいな。
自分の店やねんから自信持たなあかんで。」
といった感じの事を言っていた。


ある日、その展示会の関連会社によって合同のセミナーがおこなわれたので参加してみた。
そこではこの「展示会」の創始者である社長による勉強会だった。
小一時間ほど営業に関するノウハウについて聞くこてができた。

その雰囲気なのだが、自分と同じようにその事業に誘われた者達は何かに洗脳されたかのようにウンウンと聞いていて、それを見て私は少しぞっとした覚えがある。
確かにその社長が言う営業のノウハウは他に通じるものがあったように思えるし、何よりも理屈通ってるかどうかは別としてなぜか説得力があった。


展示会まで残り数日と迫った頃に主任から、あるマニュアルをいただいた。
そこには、当日駅などで待ち合わせし、会場まで案内して、展示会でどう振る舞うかが書かれていた。
ちなみに客を一気に相手にするのではなく、時間ごとに区切って1グループ(招待した友人とその友人)ごとを接客する。

この頃、この会社に不信感があった私はネットでいろいろ調べた。
そこで見たのは、先に出てきた専務取締役は別の会社(事業は同じく展示会)の代表取締役であって、あるお客が買った商品に関してその会社を相手取って訴訟を起こしているような事が書かれていた。

具体的に何を求めたのかはわからないが、そのお客はいわゆるデート商法によりその商品を購入したらしい。
デート商法とは売り手が、その標的である相手に対してあたかも恋人のように振る舞って、
「仕事がうまくいっていない。だから商品を買ってほしい。」
とでも言って色仕掛けによって買わせる手法だ。
これがあってか上で挙げたように【自分の直接の知り合い】しか客とできないようになったのであろう。


さらにマニュアルを見て、この展示会から去る決意をした。
と言うのも、展示会では実際接客するのは会社が用意する人がして、自分はお客に「それすごく似合ってるよ。」なんて言いながらながら一緒に回る。

さらに、極めつけは入り口でお客の手荷物を預かる。
これは事実上お客が買わなければそこから出れないような軟禁状態にする。
なんとなく不正をしているのではないかという疑惑がより強くなった。


しかし、私が行った会社では【違法性】というものがあるかと言われると、「NO」と言わざるをえないような気がする。
グレーゾーンと表すのが適当だろうか。
月に数回しかしない展示会で利益をあげるには普通の方法では無理だと考えられる。
おそらく、服の質に対して著しく高い価格設定されているのではないだろうか。


結局、私は展示会の前日まで通ったその会社を去った。
今思えばその展示会がどう開催されるのか、この目で確かめればよかったかなと思う。
もしかしたらうまくいけばお金を稼げるかもしれないが、一歩間違えば友達をなくしたうえに信用もなくしてしまう可能性がある。


今回は稼げる情報と言うよりも、消費者教育的な側面から書きました。
明らかに「おいしい話」には気をつけてほしいです。ただ、当時、学生で普通では経験できなかった事なので【お金では買えないもの】を得れたのではないでしょうか。

関連会社の社長に聞いた営業のノウハウなんかは今でも十分応用が効きます。

以上です。



いくらお金を稼げるといっても、こういう友達や周りを巻き込むような仕事はしたくないものですね。。

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