―パチンコやスロットで一日中遊べて、それが仕事になる―

そんな夢のようなアルバイトが、パチンコ店の"サクラ"あるいは"打ち子"です。
「サクラ」とは、あたかもその店が賑わっている（出玉が出ている）ように、アピールする人であり、「打ち子」はパチンコやパチスロを打つことを仕事をしている労働者（打ち手）のことです。

ネットで検索してみると、けっこう募集しているサイトや掲示板があります。
中には、"軍資金は全額当社負担""完全無料の攻略法教えます""１日に２～３時間好きな時に打って月１００万の収入"
そんな甘い宣伝文句で勧誘している所もあるようです。
確かに、好きなパチンコやスロットが仕事になって、しかもそれで高収入を得ることができれば、まるで夢のような話しですよね。

しかし実際には、詐欺にあったり騙されたりといったケースがめちゃめちゃ多いみたいです。

まず、"サクラ""打ち子"について簡単に説明しましょう。

仕事内容や報酬

これはもちろん雇い主や、ホールによって違います。
が、数日前に仕事の依頼が入ります。
そして前日や当日の朝に、○○番で打つようにとの指定が入り、そしてホールに入ります。
店側からしてみれば、高設定台を他の人に取られてはサクラを雇っている意味がありませんので、指定された台は必ず確保しなければなりません。
しかしトラブル防止や客離れをさけるため、常連さんと狙った台あるいは開店前の並び順が重なった場合は、必ず譲らなくてはなりません。
またサクラ同士はもちろんのこと、店員との私語も厳禁です。
あくまでホールの繁盛が、第一目的なのです。

報酬は、平均にして日当15.000～20.000円、または出玉額の３割程度です。
つまりパチスロメダル5000枚で、30.000円程度の報酬となります。

多発する詐欺

これだけ見ると、いかにもおいしいまさに裏バイト詐欺被害が多発しているのです。

一番多いのは「前金」「登録料」と称してお金を騙し取る手口です。
①登録するのに登録料がかかる。
②途中でバラされたり、逃げられたりしては困るので、信用代としてお金を預けてほしい。もちろん後でこのお金は返す。
③ 一人前になるまでプロをひとりつけるので、登録料などはかからないが、プロへの給料みたいなものがかかる。
④きちんとした登録をするのに、証明書や申し込み手続きの代金がかかってしまう。

大抵は…
メーカーやホールとつながっているから、情報が入る。
出る台や出し方を教えてもらえるので、あとは打つだけ。
投資金は自己負担だが、１万円もあれば必ず当たる。
すぐに前金は回収できる、といった話しです。
もちろん、ウソです。

そもそも、サクラや打ち子を始めるにあたって、登録料や契約料は一切発生しません。
これは信用がどうのとか、必ず返すお金だとか、そういう問題ではなく…。
お店の立場に立って考えてみて下さい。
お金を預けなければ、信用できない人にサクラなんてやらせません。
というよりも、やらせられません。
もしもサクラがバレてしまったら、数十万円どころの被害では収まらないからです。
お金を預ければ信用できる、なんて簡単なものではないのです。
お店からの「信用」はお金では買えない、ということです。
実際に、前金・登録料が必要なサクラの募集は、そのほとんどが詐欺みたいです。

メーカーがサクラや打ち子を雇ったり、派遣会社と契約を結ぶことは一切ありません。
現在サクラをやっている人達もアルバイトのひとつのような感覚で、みんなやっています。
１ヶ月に５０万、１００万なんて額は、本当にサクラをやったとしても、不可能な額なんです。

くれぐれも、甘い話には注意してくださいね。