みなさんは廃家電の回収車を目にしたことはありますでしょうか？

よく街中を軽トラで、

「ご不要になったテレビ、エアコン、冷蔵庫、ラジカセなどの電化製品はございませんか。無料でお引き取り致します～、壊れていても構いません」

とスピーカーで宣伝して回っている、あれですね。



電化製品が動かなくなって始末に困っていた事を思い出し呼び止めると、

「あ～コレはちょっと古くてどうしようもないでね～○千円ほどかかりますね～」

などと平気な顔で処分代を要求されます。
無料と言ってたではないかなどと思っても口の上手さでは向こうの方が何枚も上手。
最後には必要以上のお金を払って引き取ってもらう事になります。

これと似たようなケースで思い出されるのが、過去に記事にも書いた竿だけ屋です。
「２本で千円。２０年前のお値段です」
などと物干し竿を宣伝して回るんですが、その２本で千円の安い竿は使い物にならないような短さ＆細さの竿。
安さに釣られてつい呼び止めると、１本一万円もするような破格の竿を巧みな話術と脅し文句で売り込まれます。


廃家電回収車はこれとはちょっと違うんですが、悪質な例としては、


テレビ番組や新聞などでも取り上げられているためご存知の方も多いと思いますが、このような悪質な方法で回収する業者も存在するわけですね。


で、この回収された家電製品がその後どのように扱われるのかと言うと、リサイクル品として転売されたり、海外へ輸出されたり、分解してスクラップとして処理されたりします。

例えばエアコンを例にとりますと、その内部には銅やアルミなどの金属が使われているため、たとえ動かなくなったものでもスクラップ業者に持っていけば高額で引き取ってくれます。
数年前に「銅線泥棒」というものが流行したことがありますが、一般の人から見ると何の価値もないようなただの金属でも、実は業者間では高値で取引されているんですね。

エアコンの場合は銅やアルミなどの金属が多く使われているため、現在のところ1キロあたり100円程度の値段で買い取っている業者が多いようです。家庭用のエアコンは商品によっても重さは異なりますが、室内機がおよそ10キロで室外機が30キロ程度。
合わせて40キロ程度にはなりますので、家電品を回収した業者がスクラップ業者にエアコンを持ち込めば、1台あたり4,000円程度になるんですね。


もちろん商品によって扱いが異なりますし、業者によっても処理の方法が異なりますので一概には言えませんが、家電品の回収業者もこのような方法をとることで利益を上げているわけです。

「ご不要になったテレビ、エアコン、冷蔵庫、ラジカセなどの電化製品はございませんか。無料でお引き取り致します～、壊れていても構いません」

この一見良心的に思える宣伝の裏には、実はこのような儲けのカラクリがあるわけですね。



で、記事の最後に、家電品回収についての注意点を一つ。

それは、廃家電回収業者には違法な業者が圧倒的に多いということです。

詳細についてはこちらの参考サイトに記載されていますが（家電は不用品回収業者に出さないで！　正しく、リユース、リサイクル（EICネット））、特にエアコンやテレビ、冷蔵庫、洗濯機などは家電リサイクル法の対象として適正な方法で処理することとなっています。

不適切な方法で処理されてしまえば地球温暖化やオゾン層破壊の原因となるフロンガスが回収できず、また有害物質が飛散・流出してしまうことにもなりかねないからです。

家電製品の処理には様々な決まりごとがあり、廃家電の回収業者に対しても厳しい規制があるわけですが、残念ながらきちんと許可をうけていない業者・悪質な業者が多いのが現状です。
（※自治体からの許可・指導を受けて家庭から家電品の回収を行う業者も存在します）


参考サイトにも記載されていますが、使用済みの家電品は悪質な業者に引き渡すよりもきちんとした方法で処理するほうが無用なトラブルを避けることができて安全です。
また比較的新しくて十分に使えそうな家電製品は、信頼できるリサイクル店に引き取ってもらうようにするのが良いかと思います。